Tokyo Tokyo FESTIVAL Archive - 東京文化プログラム記録集
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2 本人プロフィールより「TURN」と「東京キャラバン」もこの平成27(2015)年から開始した。 「TURN」は、東京芸術文化評議会評議員で、東京藝術大学教授の日比野克彦氏の発案である。これからの社会を見据え、異なる背景や習慣を持った人々が関わり合い、さまざまな「個」の出会いを生み出す「交流」を主軸に据えたアートプロジェクトとして、一人ひとり異なる全ての人に届く新たな文化的体験をつくり出すことを目指して始まった。 「東京キャラバン」は、劇作家・演出家・役者2であり、東京芸術文化評議会評議員、東京芸術劇場の芸術監督でもある野田秀樹氏の発案による、東京をはじめ日本の多種多様な芸術が集う文化発信の新しいムーブメントである。同年10月には、「プロローグ」公演が駒沢オリンピック公園で実施された。 平成28(2016)年、東京文化プログラム助成(後に「TokyoTokyo FESTIVAL助成」)が開始された。東京大会に向けた気運醸成、文化プログラムをより多くの都民が楽しめる機会を設け、都民みずからも参加できる場を増やしていくことを目的にしたもので、民間の大規模な文化事業や、先端技術を活用した未来提案型プロジェクト、都民の日常的な文化活動を対象とした市民創造文化活動支援など、幅広い活動を対象に東京大会終了までに250件超の事業が採択された。 同年8月、リーディングプロジェクトである、「TURN」及び「東京キャラバン」や「リオ伝統芸能公演TOHOKU & TOKYO in RIO」をリオ大会の期間中に現地で展開した。9月には、「フェスティバル/トーキョー」や「アジア舞台芸術人材育成」事業などを包括する「東京芸術祭 2016」が開催された。 リオ大会の閉会に伴い、いよいよ東京2020大会に向けた文化プログラムが本格始動となることを受け、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下「組織委員会」という。)と共催で10月に「幕開き日本橋〜東京2020文化オリンピアードキックオフ〜」を実施した。11月には多摩地域の伝統文化・芸能の魅力を伝える「伝承のたまてばこ〜多摩伝統文化フェスティバル〜」がはじめて開催され、以後、新型コロナウイルス感染症による中止を除き、例年開催されている。 平成29(2017)年11月、東京都は、東京2020大会に向けた文化プログラムを「Tokyo Tokyo FESTIVAL」と銘打って展開すること及びアイコン等を発表。また、TokyoTokyo FESTIVALの中核を彩る事業を創出するため、「Tokyo Tokyo FESTIVAL 企画公募」の実施も発表した。企画公募は、文化プログラムのアイデアを民間等から募集するという画期的な試みで、平成30(2018)年2月の1か月の応募期間で国内外から2,436件の応募があり、12名で構成された外部有識者等の委員による審査会を経て、同年8月に企画案13件が選定された。選定に当たっては、①Challengethe“Mirai”(革新性・独創性、2020年以降に向けた新しい挑戦)、②NoBorders(障害者、高齢者、子3 ステートメントについては、138ページ参照のこと。4「東京2020 NIPPON フェスティバル」では、主催事業として中核を成す3つの文化プログラムを実施したほか、全国の自治体や文化芸術団体等と連携して実施する「共催プログラム」を行った。供、外国人等国内外のあらゆる人々が参加・交流)、③Old meets New(伝統と現代の共存をはじめとした独自性・多様性)の3つの視点が重視された。 プロモーションに関しても本格的に展開をはじめ、11月に羽田空港国際線旅客ターミナル江戸舞台でTokyo Tokyo FESTIVALプロモーションイベントの第1弾「東京の芸術文化を世界へ」を開催し、東京の芸術文化の魅力やTokyoTokyo FESTIVALの今後の展開を紹介した。この後、プロモーションイベントは、様々な層にTokyo Tokyo FESTIVALの魅力を訴求していくため、第2弾「文化でつながる。未来とつながる。」、第3弾「NoBorder“ART×SPORTS”芸術とスポーツの融合」、第4弾「ニッポンの美Tokyoの心〜QuestforJapaneseCulture〜」と開催した。 平成31(2019)年2月、Tokyo Tokyo FESTIVALのコンセプトコピーとステートメント3を発表。コンセプトコピーは「文化でつながる。未来とつながる。」(日本語)、「THE FUTURE IS ART」(英語)である。 令和元(2019)年8月、企画公募で選定された13企画を総称する名称「Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13」を発表し、9月には最初のプログラム「DANCE TRUCK TOKYO」の第1回を新宿中央公園で開催。11月には港区の浄土宗大本山増上寺周辺で「Light and Sound Installa-tion “Coded Field”」を実施し、本格的にスペシャル13が始動した。 令和2(2020)年1月には、組織委員会との共催で「東京2020公式アートポスター展」を東京都現代美術館で開催した。国内外の20人(組)のアーティストがオリンピック又はパラリンピックをテーマに制作した公式ポスター全20作品は、本展示が初披露となった。 なお、組織委員会は、公式の文化プログラムとして、令和3(2021)年に「東京2020NIPPONフェスティバル」4を実施した。また国もオリンピック・パラリンピック競技大会を契機としたプログラムとして「日本博」や「beyond2020プログラム」を展開した。 Tokyo Tokyo FESTIVALでは自治体や企業など、多様な主体と連携して多彩なプログラムを展開した。 平成27(2015)年からスタートした国内最大規模のストリートダンスの祭典「Shibuya StreetDance Week」では、渋谷区や渋谷の様々な地域団体、企業等と連携してプログラムを実施している。同様に「東京芸術祭」(豊島区)や「伝承のたまてばこ〜多摩伝統文化フェスティバル〜」(八王子市ほか)、「六本木アートナイト」(港区)など、多くのプログラムが都内の自治体や関係する地域の団体の協力により実施されている。 また、民間企業等と連携し、日常的に文化活動を行う都民の発表の場を創出するプログラムである都民パフォーマーズコーナー(トパコ)は、平成30(2018)年3月に第1回が渋谷マークシティで行われ、多くの人が行151まく あ「Tokyo TokyoFESTIVAL」の名称決定と企画公募多彩な文化プログラムの展開4.5.

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