スペシャリストからのアドバイス(3)
お話づくりのコツおてて絵本で会話をしよう
広げた両手を絵本だと思って、頭に浮かんだストーリーを話す。それが「おてて絵本」。子供のオリジナルのお話をきっかけに会話を広げていくのは楽しいものです。ただ、お話づくりは大人にとっても難しいもの。そこで「おてて絵本」の普及に力を入れている絵本作家のサトシンさんにコツを伺いました。

子供と会話をしながら「おてて絵本」をリードするサトシンさん
お話の作り方 その1子供が答えやすい質問をして、きっかけにする
「何かお話をして」と子供に言われて、困ったことはありませんか。お話づくりは大人でも難しい。子供にとってもそうです。ですから、最初にお話をつくるきっかけがあるといいですね。例えば「好きな動物は何?」「朝ご飯は何を食べた?」など、子供が答えやすい質問をするのです。その答えがお話のスタートです。
子供が語り始めてからも質問を挟みます。「それから? その次は?」「で、どうなったの?」と尋ねる。子供は答えようとして考えます。それでも次の話が浮かばないときは、「それから誰が来た?」とか「その動物はおなかが減っていたかもしれないよね」と語りかけ、次の展開を促します。
ただ、質問ばかりではなく、子供を褒める言葉を挟むこともお忘れなく。「すごいことを思いついたね!」「それはびっくりだ!」と合いの手を入れると、子供は積極的に話すようになります。

お話の作り方 その2絵本の続きや別の展開を一緒に考える
質問をしてもお話が浮かばない場合には、絵本を読んだ後にその続きを一緒に考えてみるとか、別のストーリーを考えてみるといった方法もあります。例えば「ももたろう」を読んだ後に、「ももたろうの家来にもう一匹、他の動物がいたらどうなっただろう」と問いかけてみましょう。子供が何か動物を挙げたら、「その動物はどんなことが得意かな」などと質問をして、話を展開させます。
お話の作り方 その3お話のキャッチボールをする
「おてて絵本」の楽しみ方としては、「キャッチボール読み」もお勧めです。キャッチボールをするように親子が交互にお話をつくっていきます。ストーリーが思わぬ方向に展開したりして楽しめます。さらにこれを発展させると、大勢が参加してお話をつくっていく「リレー読み」になります。バトンを渡すようにお話を順番につくっていきます。おじいちゃん、おばあちゃん、子供の友達にも参加してもらって、みんなで楽しみましょう。

お話の作り方 その4いい話、楽しい話は求めないでいい
「おてて絵本」で気をつけてほしいのは、「いい話」ばかりを求めないことです。大人は「自由に話して」と言いながら、基準を設けがち。自由に話すのだから、順序立っていなくてもいいし、アニメや絵本を真似た話でもいいのです。大切なのは、子供自身が楽しみながら話すこと。パパとママはそれをそのまま受け止めましょう。
まとめ
絵本選びに迷ったら自分の好きな絵本を選べばいい。凝った演出で読む必要はない。「おてて絵本」は子供のお話をただ受け止めればいい。スペシャリストからのアドバイスはどれも難しいものではありませんでした。気軽に絵本を手に取り、子供との読み聞かせの時間を楽しんでください。
Contents
第14回 どんな絵本を選ぶ? 上手な読み方はある?
絵本の読み聞かせで子供を楽しませるコツ
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