平成29年度 入選作品 一枚写真部(二席)
二席
練馬区 「ねりま区報」1月11日号
担当者の声
コンセプト「野菜を育てる喜びを多くの人に伝えたい」
練馬区は、農園主が区民に野菜づくりを教える「農業体験農園」の発祥の地として、その魅力を区内外に積極的に発信し続けています。体験農園では、利用者が練馬区という住宅都市の中で身近に農に触れ、喜びや楽しさを体感しながら、直接農家の指導を受け、季節を通していろいろな野菜を育てることができます。
今回の利用者募集にあたり、写真撮影では、実際の利用者たちが「楽しみながら野菜づくりが体験できるので、ぜひ私たちと一緒に参加しませんか」と読者に呼びかけるような構図を考えました。
当日は、収穫した野菜を誇らしげに見せる利用者と、立派に育った野菜と利用者を嬉しそうに見つめる農園主(左下)の笑顔につつまれた写真を撮影することができました。
審査員コメント
●練馬の作物を手に取った一人一人の表情が印象的。集合写真は平板になりがちだが、これは「強さ」が出ている。被写体が「ぜひ見て」という態度で映っている方が、見る側にとっても好意的に感じられることの好例であろう。(大石)
●「農業体験農園」の利用者たちの笑顔が満載ですね。写真も綺麗に撮影されています。高い位置から撮影したことで、後方の農園がよく見えています。紙面上では不要な家屋部分にテキストを乗せて隠しているのですが、大切な「農園」の方まで隠してしまっています。レイアウトを工夫して、「体験者」と「農園」がよく分かるようにしたいですね。また、農園主さんもこの輪の中に入ってもらった方が「和気あいあい」感が増すと思います。(板橋)
掲載紙面
足立区 「あだち広報」10月10日号
担当者の声
28年度、足立区の区立図書館全体で「約2万冊、2,500万円」もの未返却本を権利放棄した。
このことを広報で大きく特集することは区のイメージダウンにもつながりかねない。しかしそれでも「本を借りるときのマナーについて考えてもらいたい」という思いから、作成した紙面である。
「本が無くなった」ということがパッと見て分かるように、タイトルを入れることを想定し、本棚の本を一部抜いた写真を撮影した。
本棚の角の部分で写真をトリミングすることで奥行きをだし、この先も本棚が続いているかのように表現した。
タイトルは「強く・短く」を意識し、シンプルで、見てすぐに伝わるようにした。また、タイトルの2万の部分は茶色の本棚の補色である青を選択し目立つようにした。
広報紙の発行後、区民から叱咤激励の声が寄せられた。
また、11歳の小学生からの「広報紙を読んでびっくりした。本を借りる時のマナーについて、私も気をつけるけど、みんなも気をつけて欲しい」という旨の投書が朝日新聞に掲載されており、区の伝えたいことをストレートに表現できたと感じている。
審査員コメント
●オリジナルプリントを見たときは「何だろう?」と思ったが、紙面上で写真とテロップがあいまって強いメッセージを発していることに気付いた。写真としての魅力というよりは、「写真を使ってどのように伝えるか」という事のアイディアを高く評価した。消えてなくなる2万冊が少しでも減るのに、効果があったのではないか。(大石)
●インパクトのある作品です。たくさんの本が返却されないんですね。この紙面で相当な反響があったと思います。行政の広報はこのような周知を積極的におこなっていきたいですね。写真は綺麗に撮影されています。紙面上では、トリミングによる奥行き感、タイトルの乗せ方、非常に良いと思います。「あだち」の濁点の本のメッセージもいいですね。(板橋)