平成29年度 入選作品 映像部門(二席・奨励賞)
二席
台東区「世界遺産のあるまち 台東区 ~東京初の世界文化遺産 国立西洋美術館~」
主な内容
2016年7月、国立西洋美術館を構成資産に含む「ル・コルビュジエの建築作品─近代建築運動への顕著な貢献─」が世界文化遺産に登録されました。
国立西洋美術館が世界文化遺産に登録されるまでの取組を紹介するとともに、国立西洋美術館は、松方コレクションの寄贈返還を通じて、戦後の日本とフランスの文化交流の象徴となった建物でもあることから、国立西洋美術館の馬淵館長にもインタビューを行いその魅力を皆様にお伝えする番組となっております
担当者の声
東京初の世界文化遺産である国立西洋美術館は、人類共通の宝であり、大切に守り将来の世代にしっかりと継承していきたいとの思いを皆様にお伝えするとともに、世界遺産のあるまち台東区をPRすることを目的としております。
審査員コメント
●内容は、とてもすばらしいと思いました。ただ伝え方に工夫がもっと欲しかったです。建物の紹介、成り立ちの歴史や、後半の世界遺産に選ばれるドキュメンタリー等素材は素晴らしいのに、ひとつひとつの構成が冗長で一方的な教育ビデオの様だったり、単純に式典の撮影が単純につなげていたり、もっともっと人を魅きこませる演出ができたはずなので、ものすごくもったいないと思いました。NHKのドキュメンタリー番組の構成などを参考にしてもいいかもしれません。(阿部)
●2016年7月、東京都で初の世界文化遺産が上野公園に誕生した。国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジェの建築作品」である。この番組は登録までの地道で懸命な取り組みを丹念に追いかけ、合わせて西洋美術館のディテールに宿るコルビュジェの魂の数々を美しい映像で紹介している。収蔵されている松方コレクションの寄贈返還についての日仏文化交流も、尽力した方々の貴重なインタビューを通して描かれていて、一区の広報というより永久保存版として非常に見応えのある秀作になっている。(高橋)
動画配信
世界遺産のあるまち 台東区~東京初の世界文化遺産 国立西洋美術館~
品川区「平成ムサコ筍伝」
主な内容
まちの活性化は商店街から。「もう、自分のところ(商店街)だけでどうこうという時代じゃない!」7つの商店街が一緒になって、まちおこしのために立ち上がったのが6年前。
こうして誕生したのが「ムサコたけのこ祭り」。江戸時代にタケノコの産地として有名だった武蔵小山で、3000食のタケノコ汁を振る舞うこのイベントは、現在のタケノコの一大産地、千葉県大多喜町も巻き込んで、すっかり武蔵小山の春の風物詩として定着した。
6年間にわたる取材の集大成、軽快な講談調の語りで紹介するドキュメンタリー。
担当者の声
104の商店街を抱える品川区では、商店街が「まちの魅力づくり」や「地域の情報発信の中心」になることが重要ととらえ、商店街の活性化に向けた取り組みに対し様々な支援を行っている。
“商店街にぎわい創出事業”の助成を受け「ムサコたけのこ祭り」を成功させた武蔵小山周辺7商店街の取り組みを紹介する。
区広報番組として区民の記憶・想いを記録し続けている品川区の素材と、ケーブルテレビならではの丁寧なインタビュー素材を、より多くの方に見てもらうべく再編集した。
審査員コメント
●構成も演出も、しっかり見る人の立場に立って作られています。楽しく見ることができました。ナレーターの方も、途中の漫画もテンポよく使われて、さらにシェフをはじめ、お祭りを実行している人々にも数日密着しているので、こちらもイベント運営の側としてドキドキしながらみてしまいました。武蔵小山と筍の関係も初めて知ることもでき、とても区の広報としてよくできていると思いました。(阿部)
●品川区の武蔵小山で七つの商店街が一緒になり、6年前から町おこし企画として立ち上げたのが「ムサコたけのこ祭り」。江戸時代に筍の産地として有名だったことから、その日3000食のタケノコ汁を振舞おうというイベントである。過去6年間の記録映像もふんだんに登場し、同区出身の笠原将弘シェフの一貫とした指導の下、特大鍋を満たすタケノコ汁は圧巻である。現在タケノコは千葉県大多喜町産のものを使っているが、同町も毎年の風物詩になったこの祭りに大いに協力しウィンウィンの関係を築いている。町おこしのきっかけは意外なところにある、という好例である。講談調の語りも軽妙で、街の人たちの普段着のインタビューも楽しい。(高橋)
動画配信
奨励賞
荒川区「荒川区制作広報番組『こんにちは荒川区』あらまちワイド『下町の銭湯~梅の湯3代目 栗田尚史が描く、銭湯の未来~』」
主な内容
一日の疲れを洗い流す場所として、また、人々が集う憩いの場として、古くから多くの人々に愛される日本の伝統文化“銭湯”。
荒川区にも銭湯が数多くあり、昔も今も多くの銭湯ファンに愛されてきた。しかし、時代の流れとともに利用者数は減少、閉店を余儀なくされる銭湯も出てきている。
そんな中、昨年9月にリニューアルオープンした西尾久にある「梅の湯」。荒川区の銭湯の未来を担う存在として浴場組合の期待を一身に受ける「梅の湯」3代目栗田尚史さんの、常識にとらわれず次々と挑戦する新たな試み、その4か月間に密着した。
担当者の声
時代の流れとともに衰退の傾向がある銭湯業界に、SNSを活用して積極的に情報発信を行ったり、銭湯を会場に多種多様なイベントを開催して挑戦し続ける栗田さんに長期スパンで密着取材を行った。
銭湯を昔と変わらず“人が集まる場所”として、その無限大の可能性を追い続ける若者の奮闘を描きながら、区の貴重な観光資源であるとともに地域コミュニティの活性化に寄与する可能性を秘めた銭湯の魅力をケーブルテレビを通じて区民に伝えたい。
審査員コメント
●栗田さんが軸で非常にわかりやすく、興味を持ってみることができました。銭湯業界の大変さもわかりながら、次世代がこれからの地域を支えていることにもとても共感を覚えました。途中のソーメンや落語のイベントを企画する様子もずっと密着している手法がとても贅沢に楽しめました。(阿部)
●これもワンテーマの成功例。東京の下町・荒川区の銭湯もご他聞に漏れず利用者の減少、後継者の先細りに悩んでいる。そんなときに今や異彩を放つ、三代目の活躍している銭湯がある。リニューアルオープンを機に銭湯業界に新風を吹き込んだ「梅の湯」は、SNSを活用した情報発信、意表をついたイベント開催など若者ならではのアイデアで地域のコミュニティに活性化をもたらしている。この銭湯の可能性を追いかける若者の奮闘振りを4ヶ月に渡って番組は追った。低い目線でのドキュメントで好感度は高い。(高橋)
動画配信
荒川区制作広報番組「こんにちは荒川区」あらまちワイド「下町の銭湯~梅の湯3代目 栗田尚史が描く、銭湯の未来~」
このページに関するお問い合わせ先
広報広聴部 広報課
電話番号:03-5388-3087