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令和4年4月1日より広報・広聴は政策企画局が、都民情報ルームは総務局が担当しています。令和4年4月1日以降の更新情報は政策企画局ホームページ又は総務局ホームページをご確認ください。

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広報・広聴

平成30年度 映像部門 総評

公開日:平成31年(2019)3月19日更新日:平成31年(2019)3月19日

阿部委員

 「広」く「報じる」と書く「広報」、「報」と言われるからには、いかに広く、観てる人に「ほう」と興味関心を持たせられるか、が重要です、なんてことを昨年、審査総評で書いたのですが、今年の作品は、明らかに昨年よりレベルアップしており、いろいろな作品の様々な手法で、何度も何度も「ほう」と引き込まれました。

 羽村市の、自主制作とは思えない、全く無駄なく、そのくせグイグイ引き込まれる演出手法。

 江戸川区のテーマに真摯に向き合い、しっかり構成し、難しい問題を、区民にちゃんと自分ゴト化させる企画力。

 大前さんという義足ダンサーと三之助さんという、プロフェッショナルをしっかり品川区の魅力へと変換させた品川区。

 PRの常識を市民とともに広げようと、学生のアイデアと市の魅力を掛け算するという、チャレンジ精神に満ちていた小金井市。

 生活する子供たちの活き活きとした表情を通して、宇佐美学園も、運営している中央区自身も、とても素敵に思えました。 

 誰もが動画を発信でき、評価される時代になり、いろんな自治体でも、この「誰かに何かを伝える」動画づくりが不可欠になっています。伝えようとしたその動画には、どんな形であれ、送り手の気持ちが表れ、暮らす人と区市町村の間に、新しい関係が生まれます。けして上手じゃなくても一生懸命つくってある動画には、それなりの熱意や愛情が伝わってきますし、逆に、機械的に繋いだ映像や、棒読みのナレーションからは、その手抜き感が伝わってしまうこともあります。

 人々に、わかりやすく、興味深く、魅力的に、飽きることなく、伝えること。今年も、そのことに工夫に工夫を凝らしたたくさんの動画を見ることで、東京中の、たくさんの市区町村と、そこに暮らす人々との素敵な関係が伝わってきました。

  審査をするたびに、動画をつくることは、とても大変だとは思うのですが、これからも、東京と都民の間にできる一つでも多くの素敵な関係のために、動画に工夫に工夫を重ね、発信していってほしいと思います。

高橋委員

 30年度の各番組・作品を拝見しました。

 今年の番組は一言でいうならば更にレベルアップした「粒ぞろい」です。採点についても同様にあまり高低差の無い拮抗した評価になりました。

 私の感想としても、数年前からハード面の進歩もあり、上質な映像と手際の良い編集、明快なリポートとナレーションでつくられた番組が殆どで、ネット配信、CA-TV放送、更には所謂地上デジタル放送にも十分に耐えられるものになってきていると思いました。 

 しかし、立場上敢えて言わせてもらえば、見ていて何か足りないファクターも感じました。それは、広報・情報番組としては十分及第点であっても、情報を盛り込めば盛り込むほど、その情報から疎外される人たちも増えてくるという負の側面を感じたからです。せっかくのお役立ちの情報や区や市の歴史情報、施設情報も、見る側に関心をよばなければ「私には関係無い・・」「自分には得にならない・・」と思って横を向いてしまう人も出てくるでしょう。番組の持つチカラというものは、そんな「情報」に興味を持たない人たちを、そこからどう番組に惹きつけることができるか、ということだと思います。情報の情をとって「人情」を使う演出もあるでしょうし、地域の背景を活かしてドラマタイズすることで取りあえず気を惹く手もあります。しかし、あくまでそれは見せ方のアイデアであって、肝心なのは中身(素材)の「情報」にどう下味をつけ、料理して盛り付け、食べやすく食欲の湧くような広報番組にしていくか、ということだと思います。今回「粒ぞろい」といったのは、情報という素材の料理の仕方が良くも悪くも皆どこか体裁と手法がイマ風で似ていて、情報をそのままナマに近い形で番組に出しているのでは、と感じたからです。

 「粒ぞろい」などと言いながら逆の意味で少し皮肉っぽくなってしまいましたが、物足りなさを感じたのはそこのポイントです。情報なんだから手を加えずにそのまま「刺身」で出せばいい、という考え方もあるでしょう。しかし、誰に向けて、何のために番組を作っているのでしょうか? 区民や市民に必要と思われる情報を伝えて、生活の役に立ててもらったり、災害を防止したり、健康を維持したりしてもらいたいからではないですか? であれば、とにかく、より多くの人に見てもらわなければならないのです。ですからナマにちかい情報を出して、見たい人だけが見ればそれで良し、とするのは如何なものかと思うのです。情報番組であればこそ高度な演出が必要だ、というのが私の自論です。 

 今回、私が高評価を付けたのは、羽村市の春祭りの新山車を手作りする職人たちを追う番組と品川区の障害をもつプロダンサーの紹介番組で、実に情報と演出がうまくかみ合っていて、知らず知らずのうちに番組の中に導かれていきました。そんな演出臭さを感じさせない、上質な演出の情報番組をこれからも期待したいと思います。

このページに関するお問い合わせ先

広報広聴部  広報課 
電話番号:03-5388-3087