令和3年度 入選作品 組み写真部門
公開日:令和4年(2022)2月16日更新日:令和4年(2022)2月16日
最優秀
足立区「あだち広報」2月10日号(第1848号)6-7ページ
審査員コメント
- 区の特色を活かしながら、広報紙でこれだけ素晴らしい野鳥特集が組める事に感服しました。野鳥は知識・経験・機材が揃わなければ撮れない被写体。まさに行政と民間のタッグの賜物。迫力ある大写真が並び、印刷の色味も美しく、まさに保存版ともいえる秀逸な紙面です。コロナ禍の中、この野鳥特集が、多くの区民に癒しと開放感を与えたことは間違いないでしょう。この企画を生んだご担当者の慧眼にも拍手を送りたいと思います。(箭内)
- 専門性の高い撮影者が撮ったということがよく分かります。特にレイアウト中央のカワセミとコサギが並び立っている写真は絵になっています。手前のコサギがアウトフォーカスですが気になりません。素晴らしく完成度の高い野鳥の生態写真が、こうして並ぶさまは壮、見ていて良い気分になります。区民に癒しと解放感を提供しようという狙いは見事にはまっています。またそれだけでなく地域のことを見直し、自分も自然を探してみようという気持ちも喚起するでしょう。表紙も含めて、写真の使い方のレベルは極めて高いというべきでしょう。(鳥原)
掲載紙面
一席
八王子市「広報はちおうじ」12月1日号(第1484号)8-9ページ
審査員コメント
- 田植え、稲刈り、八王子米を給食で食べるまで。子どもたちの体験学習と、地産地消の流れを丹念に追った、素晴らしい紙面・組写真です。デザインも可愛らしく、ユーモアがあります。技術面は、寄り・引き、イメージなど、撮影から写真セレクトまでに気配りが見られます。撮影者は実際に水田に浸かり、田に膝をついて子どもの目線で撮影しており、努力の跡が伺えます。このご時世ですが、臨機応変なマスクの着脱は、私は賛成派。子どもたちの溢れる笑顔に、癒しや希望を感じます。(箭内)
- 田植えから刈り取りまで、長期の取材が成果を上げています。それぞれの写真については季節ごとの状況を的確に撮れていて、子どもの表情とその撮影アングル、さらに遠近の組み合わせも適切でとても理解しやすい。米をモチーフにした楽しいレイアウトと相まって効果的です。
欲を言えば、写真をもう少し大きく使い、より強いビジュルアルインパクトを狙うとなお良かったかもしれません。(鳥原)
掲載紙面
二席
千代田区「広報千代田」11月5日号(第1555号)16ページ
審査員コメント
- 緊急事態宣言が明けた10月の児童館。子どもたちの嬉しそうな笑顔とイキイキと遊ぶ様子、そして、お母さんたちの我が子を見守る様子が読者に伝わってくる温かな紙面です。子どもたちを「宝」と表現し、写真をプレゼントするなど、メッセージ性ある情報伝達にも成功しています。撮影には、適材適所での寄り・引き・ローアングルなど、配慮と工夫が見られます。子どもたちの生き生きとした様子を取るために時間をかけて丁寧に撮影されたことが伺えます。デザイン、レイアウトも可愛らしく、何度も見返したくなる印象的な紙面だと感じました。(箭内)
- 一枚一枚の写真は本当によく撮れています。子どもの楽しそうな笑顔、声が聞こえてきそうです。それはまさに「宝」と呼ぶにふさわしい情景を捉えておられます。レイアウトも楽し気でよく伝わってきます。
改善点は2点考えられます。ひとつはバストアップなどの寄りの写真がないことです。ニーショットの同じような大きさの写真が多いです。もう1点はレイアウトの点数がやや多いことです。子どもたちを平等に撮ることを重視されているのだと思いますが、レイアウトにメリハリをつけることで、より強い印象を与えることができると思います。(鳥原)
掲載紙面
奨励賞
目黒区「めぐろ区報」10月15日号(第2120号)1ページ
審査員コメント
- ヒーロー(人物)のポーズ、眼差し、表情に、各人の特徴がよく現れています。デザイン面では、縦長のレイアウト、カラフルな文字フォントに、掲載の意図を強く感じました。写真、レイアウトともに、様々な創意工夫の元に制作された紙面です。
ひとつ、調査票に記された撮影データの露出値(S1/60、F16)が気になりました。人物背景のボケ具合から見て、値は合っていますでしょうか。今一度ご確認頂けたらと思います。(箭内) - インパクトが強い紙面になりましたね。掲載意図の通りの効果を発揮していると思います。思わず手に取ってみたくなります。色でキャラクターを示しているのは、戦隊ものになじんでいる子どもたちにも受けるでしょう。ポートレイトとしてもよく撮れていると思います。やや気になるの並び順で、正面を向いている左端の消防団員と見守りボランティアの方を入れ替えるともっとしっくりくると思います。(鳥原)
掲載紙面
奨励賞
中野区「なかの区報」7月20日号(第2071号)2-3ページ
審査員コメント
- 15年以上続く「中野チャンプルーフェスタ」の灯を消したくないという切実な思いが伝わってくる紙面です。あいにく祭りは中止となりましたが、きっとこの紙面から多くの人が希望を得たに違いありません。
参加者の成長記録や動画案内は、まさに今ならではの情報で興味深いです。過去の写真で組まれた特集ですが、広報紙は一般の新聞とはまた違う媒体なので、これも一つの表現方法であると思います。(箭内) - 地域住民の一体化を促す楽しいイベントのようすが、力強く撮られています。とくに表紙から特集ページにいたるまで、懸命に子どもの姿をフィーチャーしたことが成功の要因ですね。ことに2007年と2019年の写真を並べる点などに工夫が見られます。ただその3ページ目は写真がやや多く、見ずらくなっている気もします。少し整理し、一点一点をもう少し大きく使う方が良かったのではないでしょうか。とはいえ、全体的に見れば区の気合が伝わり、好感度が上がる仕上がりだと思います。(鳥原)
掲載紙面
奨励賞
練馬区「ねりま区報」11月1日号(第1952号)11面
審査員コメント
- 美しい秋景色に心が洗われます。特にスカイツリー越しの仲秋の名月とダイヤモンド富士が区役所からの撮影であることに、素直に驚かされました。被写体の内容も自然・都会・動植物・食・交通・風物詩とバラエティに富んでおり、制作者の明確な掲載意図が読み取れます。この紙面だけでなく、QRコードから他の写真が閲覧できるという案内にも好感が持てます。区民の興味を惹くに違いない秀逸な紙面です。(箭内)
- 23区で最も自然の豊かな区であることをアピールする紙面になっています。どの場所にも一度は行って見たいと思わせてくれます。日頃から写真をストックしている写真が充実していないとできない構成です。成功しているとは思いますが、ちょっと気になる点もあります。例えば③と④がどちらもイチョウ並木でありこと、⑤と⑦がいずれも蝶を捉えていること(しかも同じ向きで)などです。よく似た視覚情報は整理して使う方が良いのですが、この紙面の場合、どちらかを割愛して一枚一枚を大きく見せた方が効果的だったのではないででしょうか。レイアウトにもう一歩工夫があるとよかったです。(鳥原)
掲載紙面
審査を終えて
審査員のお二人から全体を通じたコメントをいただきました。
- 組み写真においては、一枚でも素晴らしい写真をただ組み合わせるだけでなく、どの写真を選ぶのか/外すのか、サイズはどうするか、どのようなレイアウトにするか といった全体的な観点で作品作りに取り組んでみてください。
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