平成29年度 映像部門 総評
阿部委員
はじめてこのコンクールの審査をさせていただきました。
さすがに、昨今いろんな自治体がPRや広報を発信していますので
各区市町村の、それぞれの手の込んだ映像作品に、とても感心しました。
そして全ての作品を見て思ったことは、
「広」く「報」じると書く「広報」、
「報」と言われるからには、
いかに広く、観てる人に「ほう」と興味を持たせられるか。
魅力的な作品は、観てる人の気持ちを
とことん考え抜いて作られている、と思いました。
企画はいいのに、工夫が足りないために、退屈になってしまったり。
ネタは小さいことなのに、ついつい見入ってしまう仕掛けがあったり。
伝えるべきことは
ナレーションで説明するのがいいのか
映像だけ見せれば伝わるのか
観てる人に、どういう伝え方をすれば
一番ココロが動かされるのか。
そのことをとことん考えないと
観てる人はなかなか「ほう」と言ってはくれないでしょう。
ついその場所へ行って見たくなる。住んでることをちょっぴり誇りに思う。
この広報を発信するまちのファンになってしまう。
「東京」の中に、いろいろな「ほう」が生まれれば生まれるほど
大好きな「東京」がどんどん広がっていくことになる。
このコンクールの役割に、ちょっと「ほう」と思ってしまいました。
高橋委員
この度、東京都の29年度の広報コンクール(映像)の部門を審査・採点させていただきました。結論から申し上げると、応募作品のいずれもレベルが高く、この審査をここ数年やらせていただいていますが、この様に各作品拮抗してしのぎを削った年は無かったように思えます。採点にもそのことが現れているのですが、突出して高い点も無ければ低い点も無かったかわりに、作品を次々と試聴していく中で楽しみと期待が膨らみました。いわば、安心して内容の吟味に没頭できるプロ仕様の各作品に接することが出来ました。
個別作品に対する評価・感想は採点表をご覧いただくとして、全体で言うと、企画力、それに見合う表現力、構成力の向上がめざましく、以前に比べて背丈に応じたバランスのとれた内容になってると実感しました。「背丈に応じた」というのは、包む荷物によって風呂敷の大きさを選ぶ、という程の意味です。
また、ドローン等を使った視覚効果も素晴らしく、こちらは以前の自然・風景描写と雲嶺の差でその映像だけでも十分楽しめました。
そして数は少なくなりましたが、シンプルなお知らせコーナー風のインフォメーション番組もあって、それらも「演出」があり、視聴者の興味を逸らさない工夫が感じられるようになりました。
全体の傾向としては、やはり今回の作品はワンテーマに絞ったドキュメントが多かったように思います。審査前は、もう少し2020のオリ・パラに向けた番組が多くなるかと思ったのですが、意外と身近な地域史、伝統文化や産業・経済のテーマが多く、地域の広報という観点からは適切なテーマ選択だと思いました。
以上が私の今回の総論ですが、どの番組もまだ伸びていける要素が十分有り、このまま自信をもって次回も各地域の魅力的なテーマに思う存分挑戦していってもらいたいと心より願っています。
このページに関するお問い合わせ先
広報広聴部 広報課
電話番号:03-5388-3087