東京都女性活躍推進大賞って?

東京都では、女性の活躍を推進するため、
優れた取組を行っている企業や団体等を「東京都女性活躍推進大賞」として
表彰しています。

無意識のジェンダーバイアスを払拭!

株式会社ポーラ

事業内容

化粧品製造・販売

教えてくれるのはこの人!
岸夏海さん
岸夏海さん 人事戦略部所属。教育や研修など社内の人材育成、人事制度改定の検討、昇格試験の運営などを担当している。

入社の理由は、1.「人の感動や驚きなどを創る仕事がしたい」という価値観と、ポーラが掲げるビジョンがマッチしていたこと 2. 若手のうちから大きな裁量を持って仕事ができる少数精鋭の会社だったこと 3. 若いうちに、苦手意識もあり、あまり触れてこなかった美容や化粧品の分野に飛び込んで自分の可能性を広げたい、という好奇心があったことが大きな理由。

―― 貴社は「We Care More. 世界を変える、心づかいを。」をスローガンにされていますよね。このスローガンについて教えていただけますか?
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さん

岸夏海さん
社員とポーラのビジネスパートナーのみなさんに共通する行動スローガンで、「We Care More.」の考えを起点に、会社全体の大きな方針としてダイバーシティ&インクルージョンを進めてきました。
「Care」には「心づかい」という意味があります。これまでは化粧品を中心にした人の美容や健康への「心づかい」を届けていましたが、今後は「More」が意味するように、対象範囲や手段を広げていく予定です。
重要視しているのがジェンダーエクイティ(男女公正)の実現と女性エンパワーメントです。『ジェンダー、年齢、地域格差、様々な「壁」の解消』をサステナビリティ方針のゴールのひとつに掲げ、誰もが自分の可能性を信じ、主体的に選択し、いきいきと自分らしく生きられる社会を目指しています。
―― 具体的な取組内容を教えてください。

さん

岸夏海さん
社員に対する研修や福利厚生の拡充、制度の整備などを行っています。例えば、全社員を対象にした「ジェンダーバイアス研修」があります。ほかにも男性が育休を取得しやすい風土をつくるための社内ウェビナー、女性特有の悩みに関するセミナーも開催しました。ジェンダーに関する内容以外にも7,000コンテンツほどのオンライン学習を提供しており、社員は好きなものを無料で受講できます。また、社外では次世代に向けた支援にも取り組みました。具体的には、朝日新聞社とともに、「10代のためのジェンダーの授業」という冊子を作成して全国の小中学校約3万校に寄贈しました。
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▲ ポーラ×朝日新聞で作成した「10代のためのジェンダーの授業」の一部
―― 「ジェンダーバイアス研修」では、ジェンダーに関する無意識のバイアスに気づくことに力を入れているそうですね。“無意識バイアス”とは、具体的にどのようなものを指すのか教えてください。
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▲ ジェンダーバイアス研修の様子(左がオンライン開催、右が流通センターでの開催)

さん

岸夏海さん
男女の家庭や社会での役割に対する、無意識的な固定観念を「無意識バイアス」と呼んでいます。実際に研修で扱った事例のひとつが、“男性の育児休暇取得に関する無意識バイアス”です。女性の中にも「男性が育休を取得したところで何をするのだろう」と、固定観念を持っている人が多く見られます。“家事や育児は女性がするもの”という男女の役割分担への無意識バイアスがあるからです。
―― 育休への理解だけでなく“無意識に持っている価値観に気づく”ところまで取り組まれているのがとても印象的です。社員が働きやすい環境を作るために、ほかにはどのような取組を行っていますか?

さん

岸夏海さん
事実婚や同性パートナーを福利厚生の対象に加えたり、不妊治療・卵子凍結などへの費用助成をしたりしました。性別に関係なく多様なキャリアを形成するための支援や、プライベートでも自己実現を叶えるための制度や啓発などにも力を入れています。そして、制度や研修だけではなく、産休・育休のリアルな悩みや課題をシェアしキャリア検討に生かす「産育応援プロジェクト」や、「LGBTQ+ ALLYプロジェクト」など、社内有志のメンバーで構成されたコミュニティもあり、メンバー同士でともに学び、交流しています。
―― 本当にさまざまな取組があるのですね!取組によって、効果や変化を感じたことはありますか?

さん

岸夏海さん
ジェンダーバイアス研修を受けて、私の中にも無意識バイアスが存在していたのだと気づきました。研修後は「男性育休は今後特別なことではなくなる」と思えましたし、私の周囲でも男性育休は当たり前のものになったと感じています。男性社員が配偶者の妊娠を公表したときにも、周りのメンバーが「育休はどれくらい取るの?」と当たり前に聞くようになりました。

未婚の方や、私のようにまだ出産を経験していない社員から見ても、育休などに協力的な社内の雰囲気は希望になります。家庭も大切にしながら、これからも会社で働き続けることができそうです。
―― 岸さんが貴社に入社してよかったと感じるのはどのようなときですか?
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さん

岸夏海さん
“自分らしさを認められている”と感じるときです。新入社員の頃からミーティングでも「岸さんはどう思う?」と、年次や肩書きに関係なく意見を尊重してもらえました。

また、自分がやりたいと思った仕事を積極的に任せてもらえるので、やりがいがあります。私は社内のウェルビーイング(より質の高い健康や幸福)向上に取り組む「ポーラ幸せ研究所」というプロジェクトにも所属していますが、頼まれたわけではなく「やってみたい」と打ち明けたら、すぐにプロジェクトに任命してもらえました。私自身の意向や目標などを考慮してもらえる環境が整っているので、自分らしく活躍できています。
―― 岸さんが描く、今後のプランや目標を教えてください。

さん

岸夏海さん
これまでは「女性が活躍する=管理職になる」というイメージがありましたが、私は人の上に立つ役職以外で女性の活躍モデルになりたいと思っています。家庭も仕事も大切にして、型にはまらない自分らしいキャリアを実現したいです。

Message

これから社会に出る学生のみなさんにメッセージ

私自身、学生時代は社会人になることが億劫でした。しかし実際に社会人になってみると、とても自由で楽しいと感じています。自分のワクワクがほかの人にも連鎖していく瞬間を実感すると、学生時代とはまた違った楽しさが得られるはずです。だからこそ、ぜひみなさんにも自分らしく働ける環境を選んでほしいと思います。

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1日に密着!
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