東京都女性活躍推進大賞って?

東京都では、女性の活躍を推進するため、
優れた取組を行っている企業や団体等を「東京都女性活躍推進大賞」として
表彰しています。

専門性を尊重し、働きやすさとやりがいを実現!

社会福祉法人東京児童協会

事業内容

都内22カ所で認定保育園・認定こども園を運営。

教えてくれるのはこの人!
藤井さん
藤井さん 葛西大きなおうち保育園で勤務。看護師として、子供たちや職員の健康管理、保護者からの相談などに対応している。

大学病院で赤ちゃんを診る仕事をしていたが、出産を機に夜勤が難しいと感じ、これまでの経験を活かし、日中に働ける保育園を志望。現在働いている保育園は「第二のおうち」を理念に掲げており、クラスに関係なく保育園全体が「おうち」として子供たちを見守っている雰囲気が気に入っている。

―― 貴団体では看護師、栄養士、保育士の方など多くの方が働かれている中で、一人ひとりが活躍できる職場づくりを推進されていると伺いました。具体的にどのような取組をされているか教えてください。

藤井さん

藤井さん
看護師の専門性をより活かせるように、法人全体で看護師会議を毎月行っています。主に健康教育やリスクマネジメント、コロナ対策などのプロジェクトを作って話し合っています。特徴的なものでは、看護師チームによる「いのちキラキラプロジェクト」という、子供向けの健康教育があります。

毎年看護師チームの中から数名が立候補し、「いのちをまもる」をテーマにその時の状況に沿った健康教育を考えて実践しています。私も昨年度、メンバーとして参加し、「コロナを恐れず新しい生活様式を受け入れるために何ができるか」を伝えていきました。
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―― 取組が始まったきっかけを教えてください。

藤井さん

藤井さん
「いのちキラキラプロジェクト」は、法人の保育園で働いていた看護師が、専門性をより活かして働くために理事長先生に提案して始まりました。専門性を活かすことは仕事のやりがいや職員の生きがいにつながります。

また、理事長先生自身も普段から「職員一人ひとりにしっかり活躍してほしい」と考えています。子供たちに学びの場を提供するためには、職員自身の笑顔も大切です。そのため、職員が笑顔で働ける体制作りや健康のサポートなどに力を入れています。
―― 「いのちキラキラプロジェクト」に参加してみて、いかがでしたか?

藤井さん

藤井さん
子供たちに伝えることの難しさを痛感しました。大学病院で看護師として働いているときは子供向けの健康教育に携わる機会がそれほどなかったため、子供たちにわかりやすく伝える方法がわからなくて。園内の保育士さんにもアドバイスをもらいながら準備をしました。ほかの職種の方とも連携を取りながら、良い経験ができたと思います。
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▲ 「いのちキラキラプロジェクト」での様子
―― ほかにも働きやすさを感じた制度などはありますか?

藤井さん

藤井さん
私が利用している「限定職員」という制度です。保育園そのものは土曜日も開園していますが、私は子供と過ごす時間を作るためにカレンダー通りのお休みで、勤務時間を1日6~8時間にしてもらっています。毎月勤務時間を見直すことができるので、ライフスタイルに合わせて選べて助かります。
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藤井さん

藤井さん
以前引っ越しをしたのですが、通勤時間が長くなり、従来の働き方では生活との両立が難しくなりました。もし勤務時間を短縮できなければ、引っ越すタイミングで辞めていたかもしれません。また、職場に子育て世代の方が多いので、子供が急に熱を出したときにも休みやすくて助かりました。最初は申し訳ないと思いがちでしたが、職場の雰囲気のおかげで今では罪悪感なく子育てにも専念できています。
―― 藤井さん自身も職場の環境改善に取り組んでいるとお聞きしました。

藤井さん

藤井さん
法人全体の衛生委員会に参加しています。衛生委員会とは、50人以上の職員がいる大型園に設置が義務づけられている組織です。東京児童協会では法人全体で環境改善に取り組むために、園の垣根を越えた独自の衛生委員会を作りました。

各園の看護師たちがお互いの園を巡視しあい、改善案やアドバイスを出しています。毎日その園にいると慣れてしまって気づきにくい部分がありますが、ほかの人の視点があれば危険性の高い場所にいち早く気づいたり、より働きやすい環境を作ったりできるはずです。

また、産業医の意見にもしっかり権限を持たせて、職員と上司との橋渡しをしています。病気の症状に応じた適切な勤務時間などを産業医が判断して取り入れているので、療養から復帰する人も働きやすくなりました。
―― 藤井さんが活躍できていると感じるのはどのようなときですか?

藤井さん

藤井さん
保護者の方が「藤井先生いますか?」と名指しで頼ってきてくださったときは、普段の仕事が実を結んだと感じます。園には看護師が1人しかいないので、保護者に覚えてもらいやすくて。子供たちも私に「ちゃんとマスクをしてきたよ!」など健康や風邪予防の取組をアピールしてくれるので嬉しいです。
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―― 藤井さんが描く、今後のプランや目標を教えてください。

藤井さん

藤井さん
専門性を活かして、子供たちにより多くのことを伝えていきたいです。コロナ禍の影響で区の離乳食講座がなくなってしまうなど、保護者支援があまりできない現状もあって……。たった1回の講座でもその成果が入園後にしっかり現れるので、入園前の保護者支援や子育て支援にも力を入れていきたいです。

Message

これから社会に出る学生のみなさんにメッセージ

ライフステージごとに大切にしたい内容は、人それぞれだと思います。今自分が何を大切にしたいかをしっかり見極めて、そのときどきの職場や仕事を選んでみてはいかがでしょうか。私がいる法人のように柔軟な働き方が選べる職場もいいですし、仕事に専念したければ業務内容が充実している職場を選んでもいいです。みなさんが自分を大切にできる職場に出会えることを祈っています。

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1日に密着!
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