筋トレで切り開いた人生
無駄な努力は一つもない
タレント・ボディビルダー
なかやまきんに君さん
なかやまきんに君インタビュー
なかやまきんに君プロフィール

プロフィール・略歴

なかやまきんに君(なかやまきんにくん)
1978年生まれ。高校卒業後に吉本興業に所属し、筋肉芸人としてブレイク。現在は、独立してフリーでタレント、YouTuberとして幅広い世代の人気を博す一方、現役のボディビルダーとして活躍。2022年には17社以上のCMに出演、「ヤー!パワー!」が同年の流行語大賞にノミネートされる。

現在の仕事について

テレビ,YouTube,ボディビル
多様なフィールドで活躍

YouTube撮影風景(2021年)
YouTube撮影風景(2021年)

いま、僕が携わっているお仕事は多岐にわたっています。タレントとして、テレビ番組やCMに出演させていただいたり、企業イベントや学園祭に参加させていただいたりしています。

また、インストラクターとして、会員向けのオンラインレッスンで、週に2回生配信でトレーニングを教えています。さらに、プロテインや食品、アパレルブランドのプロデュースをする他、YouTubeで筋トレなどに関する様々な情報を発信しています。

そして何より現役のボディビルダーとして、日々トレーニングを積み、国内外の大会に参戦しています。



今の仕事に就いたきっかけ

人と同じことをせず
数年後を見据えて行動する

デビュー当時(2000年)
デビュー当時(2000年)

小学生の頃から、テレビで見るお笑い芸人や芸能界に漠然としたあこがれを抱いており、高校卒業後に大阪のお笑い養成所の門をくぐりました。

600人くらいいる養成所の同期の中で、「とにかく目立たなければいけない」、「何か人と違うことをしなくてはいけない」と考え、とりあえず毎日タンクトップを着て養成所の授業に参加しました。そこから、周囲の先輩方に上手くイジってもらえたこともあり、筋肉芸人としてテレビ出演し、1年目から全国のみなさんに知ってもらえました。

とはいえ、当時の心境としては不安が大きかったです。キャラクターがウケて世に出たものの、まだまだ実力も経験もありません。数年後を見据えたとき、こういうやり方は続かないだろうという危機感がありました。だから、周りから「このチャンスをつかんで東京に行け」と言われても、あえて大阪に留まり、吉本新喜劇に出演するなど、実力と経験を蓄える選択をしました。

この、「人と違うことをする」「常に3~5年後を想像して動く」という考えは、当時から今に至るまで、自分のキャリアの軸となっています。

2006年と2007年に米国に「筋肉留学」した際も、芸人が海外留学するなどという前例はなく、当時は「海外に行っても意味がない」、「どうせ行くなら、勉強するより、現地で遊んで芸人としてのエピソードを作れ」という言葉もいただきました。

ただ、他の人がやっていなくても自分は海外で挑戦したいと思っていましたし、先々のことを考えて、「勉強は今しかできない」との思いから、サンタモニカ・カレッジに入学して、運動生理学を専攻し、ひたすら勉強することにしました。

授業やテキストは当然英語で、現地の学生よりも理解に何倍も時間がかかる。平日は3時間睡眠でとにかく勉強し、土日に疲れが出て体調を崩して、また平日はひたすら学ぶという繰り返しです。

その結果、他の留学生が約3年かけて卒業するところを、1年半で修了し、ボディビルダーやインストラクターとして活動する上での基礎となる、深い知識を身に付けることができました。

筋肉留学時代(2010年)
筋肉留学時代(2010年)


これまでの人生の山と谷

「人生をかけた努力」は
絶対に報われる!

なかやまきんに君の人生の山と谷パソコン版 なかやまきんに君の人生の山と谷スマホ版

留学で大きな学びを得たといっても、テレビで使える面白エピソードはなく、自慢の筋肉も一時的に衰えてしまい、留学直後は仕事がない日が続きました。そこで自分の原点である筋トレに立ち返り、日々トレーニングを重ね、ボディビルの世界大会にも出場しました。

僕は、キャリアを築いていく上で、何よりも「筋肉を大切にする」ことを優先しています。これはつまり、「自分がなぜ今ここにいるかを見失わないようにする」ということを意味しています。

目先に稼ぎのいい仕事があっても、考えなしに飛びついていたら成功は続きません。常に「自分は筋トレでここまで来た」と意識して、トレーニングをないがしろにせずコツコツと継続しています。だから、テレビのいわゆる“おいしい仕事”でも断ることがあります。テレビに出たほうが一時的にはたくさんの人に見てもらえるかもしれませんが、自分のやるべきことを積み重ねていくほうが、未来に繋がるからです。

マッスルビーチインターナショナルで優勝(2022年)
マッスルビーチインターナショナルで優勝(2022年)

地道な努力を積み重ねていく中、コロナ禍のステイホーム中に僕のYouTubeを見てくださる方が増えました。そして、若い世代の方々にも知ってもらうきっかけとなる出来事がありました。福岡で1日警察署長を務めた際、このニュースを伝えるNHKのアナウンサーの方が、映像を見て放送中に笑いが止まらなくなった様子がSNSなどで流れ、大きな注目を浴びたのです。YouTubeの登録者数も爆発的に増え、それまで僕を知らなかった多くの方に動画を見てもらえるようになりました。動画では、留学時代に学んだ運動生理学等の知識を活かせており、当時の努力が今になって大きく花開いたと実感しています。

このような経験から「人生をかけた努力」は絶対に報われる、と信じています。

例えば、必死に勉強して、仮に目指していた試験に落ちたとしても、その知識や経験は必ず別の形で活かすことができると思います。スポーツで頑張って、もしその道でプロになれなかったとしても、トレーナーになって、経験を伝えることもできます。努力した経験をどう活かすかを考えれば、無駄になることは何もありません。

福岡での1日警察署長(2021年)
福岡での1日警察署長(2021年)

これから目指すこと

筋肉留学に再チャレンジし
世界を股にかける筋肉芸人へ

なかやまきんに君写真6

自分の中で、アメリカに進出する夢、「筋肉留学」は、まだ終わっていません。時機を見て、また挑戦するつもりです。実は、お笑い養成所に入るための履歴書にも「将来は、世界を股にかけて活躍する人を目指す」と書いていました。ずっとその目標は変わっていないんです。

ボディビルダーとしては、80歳になっても世界大会に出続けたいです。筋肉は50歳、60歳でも成長するので、ずっと続けていきます。



オフの過ごし方+生活と仕事の両立

筋トレでメンタルを整え
落ち込んだときも前向きに

なかやまきんに君写真7

最近は、休日がほとんどありません。仕事がない日でも、YouTubeの編集などをしています。そんな毎日の中でメンタルを整えてくれるのが、筋トレです。筋トレ中は集中力が高まり、頭が良い意味で「無」になります。そのおかげで、ふと新しいネタが浮かぶこともあります。

また、仕事で失敗したり落ち込んだりしたときも、筋トレをすることで「今日はこれだけ頑張った」「今日もやるべきことはやった」と前に進めたことを実感でき、ポジティブな気持ちになれます。

僕にとって、筋トレは人生の教科書です。「自分を信じる」とか「諦めない」ということは、すべて筋トレから学びました。

    

若者へのメッセージ

不安があるからこそ頑張れる
好きなものをヒントに挑戦を

なかやまきんに君写真8

もし、やりたいことがあるなら、絶対に挑戦してほしいです。何かに踏み出すとき、不安もきっとあると思います。だけど、不安があるからこそ、人は頑張れるのだと思います。

ボディビルの世界でも、素晴らしい肉体を作り上げるのは、才能に恵まれない人、もともと筋肉がつきにくい人ということも多いんです。これは、体格のコンプレックスがある人が、なかなか成長できないという厳しさから、人より努力を積み重ねることができるからだと思います。

まだ、やりたいことが見つかっていない方もいると思います。無理に何か見つける必要はありませんが、もし何かを頑張りたいと思っているなら、自分が20歳頃までに好きになったものを振り返ってみてください。漫画やスポーツに熱中したとか、ペットを可愛がっていたとか、何か心が揺れた瞬間があるはずです。そこにヒントがあると思います。

仕事でなくても、趣味に没頭したり、子育てに集中したりという形でも良いと思います。もし周りから理解が得られなくても、いつかどこかで花が開くはずです。繰り返しになりますが、「人生をかけた努力」は必ずどこかで報われます。

最後に、ぜひ筋トレをしてほしいと思っています! 筋トレは、努力が目に見える形で確実に身体に表れます。就職活動などの面接でも、健康的な印象を与えることができ、話題にだってなるかもしれません。社会人になっても、上司や同僚、仕事関係者に「すごいね、何かやっているの?」と声を掛けられることで、会話の糸口になり、円滑なコミュニケーション形成にも役立つはずです。筋トレを続けるのは大変ですが、だからこそ乗り越えたときに得るものも大きいです。ぜひチャレンジしてみてください!