アジア大都市女性セミナー 第1回シンポジウムマニラ宣言　（和文・概要）

「女性の変革による都市再生」

我々、都市再生、貧困緩和のための女性の権利確保および男女平等に関わる地域行政責任者、政策策定者、関係者、パートナーは、

都市再生、変革を担うリーダーシップ、ガバナンスの向上、経済的自立、持続可能な発展、社会変革、平和構築において女性が果たす必要不可欠な役割を認識し、

一部の社会経済的、政治的、文化的構造が女性の完全な社会参加の妨げとなっていることを認識し、

家庭、地域、社会において、男女の視点から変化、公平、平等に配慮する存在となることができるよう、男性だけでなく女性の権利を確保し変革する必要性を認識し、

パートナーとして協力し、参加、相談、権利確保、公平、平等、責任、責務、透明性、精神性、平和の文化の原則に従って、人間性豊かな社会を目指して社会と経済の構成を改革していくという我々の将来構想を実現し、

女子に対するあらゆる差別の撤廃に関する条約(CEDAW)、北京行動綱領(BPA)、ミレニアム開発目標(MDGs)、その他の国際的取り決めに対する取り組みを一層促進することを再確認し、

我々の地域と社会における多様な女性の意見の存在を認識し、

ここに以下のように宣言する。

都市再生を目指す地域の協力、共同、協調の強化という観点において、アジア大都市ネットワーク21(ANMC21)会員都市は、個別にあるいは共同して、女性の完全な社会参加に関わる目標実現と関与に向けた取組みを行う。

1. 経済と政治への参加、環境と持続可能な発展、人権保護を含み、しかもそれに限定されないあらゆる努力の領域に関わる横断的な問題として男女平等と発展（GAD）の問題を取り上げる。
2. 能力開発、ツールと情報、啓発キャンペーン資料、システム、手法、手順の開発をその例として考え得るような男女平等に配慮した政策と計画の採用、策定、確立を通じて、女性に対するあらゆる差別を撤廃するための戦略として、男女平等及び発展の中心課題を取り上げる。
3. 特に人権保護の領域、具体的には女性に対する暴力(VAW)、環境保護、持続可能な発展、経済的自立、政治参加の領域における情報に関係するデータを性別、年齢等により分類したデータも含め、系統的全体的に研究、収集、分析、公表することについての地域的双方向的な協力の拡大を促進する。
4. 女性の権利確保と男女平等に関する意識向上と提言活動計画の策定に関する優れた実践と経験の共有など、資源の活用と技術的協力の計画のために、双方向的で地域的国際的な協力を通じた二都市間、多都市間の協力関係を強化する。
5. 女性団体、非政府組織、私的及び公的組織、地域組織によって実施されている先導的役割を支援することにより、女性の完全な社会参加を最大限拡大し、これらの組織とのネットワークと協力的関係を確立、強化する。
6. 女性の権利確保、女性の経済的自立確保の強化、女性の人権と基本的自由の完全な享受の促進のために、女性に対するあらゆる差別を撤廃するよう、国内法を履行、あるいは必要な場合には修正する。
7. 男女の均衡、割り当て制度に関する政策や立法を通じて、意思決定に関わる高い地位における女性の参加を促進する。
8. ANMC21会員都市における短期的長期的な経済的権利確保プログラムを奨励、推薦することを目指す。

本日2003年10月23日、フィリピンのマリキナ市において「女性の変革による都市活性化」をテーマとして開かれたアジア大都市ネットワーク21第2回大会の参加者により署名。

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