交通反則通告制度(青切符制度)が始まります!
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令和8年4月1日から自転車の一定の交通違反に対し、交通反則通告制度(以下「青切符制度」といいます。)が導入されます。
「自転車のルールが厳しくなったの?」
いいえ、そんなことはありません。
青切符制度への理解と、改めて"くるま"の仲間「車両」である自転車の交通ルールについて、確認してみましょう!
このページは、警察庁自転車ルールブック及び警視庁ホームページ等を参考に東京都が作成しました。
・青切符とは?
・なぜ導入されるの?
・主な反則行為と反則金一覧
・取締りの基本的な考え方
・絶対やめよう「悪質・危険な違反」
・FAQ
・青切符以外にも覚えておきたいこと(赤切符・自転車運転者講習制度)
・参考リンク
青切符とは?
青切符とは、交通反則通告制度に基づいて交付される「交通反則告知書」を指し、自転車の一定の交通違反に対して反則金を納付することで違反処理を終わらせる制度です。自転車は本制度の対象外でしたが、令和8年(2026年)4月1日から自転車運転者にも適用されます。
対象は、16歳以上の自転車に乗るすべての人で、運転免許の有無は関係ありません。
警察官が自転車の交通違反を認知した場合、基本的には現場で指導警告を行います。ただし、その違反が交通事故の原因となるような、歩行者や他の車両にとって、危険性・迷惑性が高い悪質・危険な違反であったときは検挙を行います。
青切符制度の導入により、検挙後の手続は大きく変わりますが、自転車の基本的な交通ルールや、交通違反の指導取締りの考え方は変わりません。
なぜ導入されるの?
自転車事故の割合が増えています!
都内では、全交通事故に占める自転車関連事故(自転車が第1当事者又は第2当事者として関与した事故)の割合は近年46%前後(交通事故の約2件に1件は自転車関連する事故です!)で推移しており、全国平均の約2倍と、非常に高い水準になっています。
事故の多くは「自転車側」にも何らかの違反行為あり!
また、都内の自転車関連事故のうち、自転車側にも何らかの違反があった割合は、7割を超えており、増加傾向にあります。
自転車の交通違反の検挙件数が増加する一方で・・・、
これまでは、自転車の交通違反が検挙されると、いわゆる「赤切符」を用いた刑事手続による処理が行われてきました。
この刑事手続は、違反者にとっても捜査機関等にとっても、時間的・手続的な負担が大きいことや、検察に送致されても不起訴となる可能性が高く、実態として違反者に対する責任追及が不十分であることが指摘されていました。
そこで、違反者・捜査機関等双方の手続的な負担を軽減するとともに、実効性のある責任追及を可能とし、自転車関連事故を抑止するため、自転車への青切符を導入することになりました。
主な反則行為と反則金一覧
青切符の対象となる反則行為は、113種類。ここでは主な反則行為と反則金額を確認しましょう。| 反則行為 | 具体例 | 反則金額 |
|---|---|---|
| 携帯電話使用等(保持) ※ 手に保持して通話したときや、 手に保持して画面を注視したとき。 |
ながらスマホ | 12,000円 |
| 遮断踏切立入り | --- | 7,000円 |
| 自転車制動装置不良 | ブレーキなし | 5,000円 |
| 信号無視(赤色等) | --- | 6,000円 |
| 交差点安全進行義務違反/横断歩行者等妨害等/安全運転義務違反/通行区分違反など | スピードを落とさず交差点に進入/歩行者が横断歩道を渡っているのに止まらない/手を離した運転など/右側通行(逆走)、歩道通行(自転車通行可の標識がない場合等) など | 6,000円 |
| 通行禁止違反/指定場所一時不停止等/軽車両整備不良/公安委員会遵守事項違反 など | 進入禁止・通行止めの道路に進入/一時不停止/ライトが点かない/傘差し/イヤホン等の使用 など | 5,000円 |
| 歩道徐行等義務違反/路側帯進行方法違反/交差点右左折方法違反/軽車両乗車積載制限違反/警音器使用制限違反など | 徐行や一時停止を守らない(歩道通行可の場合)/不適切な右左折/二人乗り/歩行者をどかすためにベルを鳴らす など | 3,000円 |
取締りの基本的な考え方
警察では、自転車の交通違反を認知した場合、基本的には現場で指導警告を行います。ただし、その違反が交通事故の原因となるような、歩行者や他の車両にとって、危険性・迷惑性が高い悪質・危険な違反であったときは検挙を行います。
青切符の導入後に、検挙後の手続は大きく変わりますが、交通違反の指導取締りについての基本的な考え方は変わりません。
普通自転車の歩道通行について
自転車の運転者による反則行為のうち、交通事故につながる危険な運転行為をした場合や、警察官の警告に従わずに違反行為を継続した場合といった、悪質・危険な行為が自転車の交通違反の取締り対象となります(※)。
一方で、単に歩道を通行しているといった違反については、これまでと同様に、通常「指導警告」が行われます。青切符の導入後も、基本的に取締りの対象となることはありません(※)。
※例えば、スピードを出して歩道を通行して歩行者を驚かせ立ち止まらせた場合や、警察官の警告に従わずに歩道通行を継続した場合には、取締りを受ける場合があります。
歩道通行のルール
自転車は、車道の左側通行が原則で、歩道は例外です。
歩道を通行できるのは、
・道路標識等で指定された場合・運転者が13歳未満や70歳以上の高齢者や身体の不自由な人の場合
・車道又は交通の状況から見てやむをえない場合
等です。
「やむをえない場合」は、例として、道路工事や連続した駐車車両などのために車道の左側部分を通行するのが困難な場合や、
著しく自動車の通行量が多く、かつ、車道の幅が狭いなどのために、追越しをしようとする自動車などとの接触事故の危険性がある場合
など、普通自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ないと認められるとき、などとされています。例外的に通行できる場合であっても、歩道は歩行者が優先です!
絶対やめよう「悪質・危険な違反」
検挙の対象となる「悪質・危険な違反」とは、「違反自体が悪質危険なもの」と、「違反が招いた結果が悪質・危険なもの」「違反の行われ方が悪質・危険なもの」があります。
※以下に記載している交通違反は例であり、これら以外の違反でも検挙の対象となり得ます。
赤切符の対象となり得る違反態様
~重大な違反であり反則行為に該当しない~
・酒酔い運転、酒気帯び運転、妨害運転(あおり運転)、携帯電話使用等(交通の危険) など
~違反態様が悪質なもの~
・実際に事故を発生させたとき。
青切符の対象となり得る違反態様
~反則行為の中でも重大な事故につながる恐れが高い違反~
・携帯電話使用等(保持)、遮断踏切立入り、自転車制動装置不良(ブレーキ不良)、など
~違反態様が悪質なもの~
・違反により歩行者が立ち止まったり、他の車両が急ブレーキ、急な進路変更といった回避措置を引き起こしたとき。
・違反を同時に2つ以上行い、事故の危険が高まっているとき。
・指導警告されているにもかかわらず、あえて違反を行ったとき。 など
FAQ
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対象は16歳以上で、令和8年4月1日から施行されます。
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警察官が自転車の交通違反を認知した場合、違反者は基本的には現場で「指導警告」を受けることになります。
ただし、その違反が交通事故の原因となるような、歩行者や他の車両にとって、危険性・迷惑性が高い悪質・危険な違反であったときは、警察官は検挙を行います。
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直ちに青切符を交付される場合もあります。また、直ちに赤切符の場合もあります。
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「指導警告」は、現場で警察官により「指導警告票」を交付されるなどします。指導警告は自分自身が行った行為が交通違反になること、自らの違反の危険性や交通ルールを遵守すべきことの重要性を理解し、再び違反をしないこと目的としています。
「青切符」は、正式には「交通反則告知書」と呼ばれ、反則行為となるべき事実の要旨等が記載されており、違反者に交付されます。16歳以上の者が自転車の反則行為を行ったときは、この青切符による処理が行われます。反則金を納付することで、刑事手続には移行せず、起訴されることはありません。いわゆる「前科」がつくこともありません。
「赤切符」は、正式には「道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式」といい、交通関係事件について特例的に使用される、簡易な形式の捜査書類をいいます。反則行為に該当しない自転車の重大な違反をしたときは、多くの場合、この赤切符を用いて、刑事手続により処理されます。起訴され、有罪となれば、いわゆる「前科」がつきます。
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「違反自体が悪質危険なもの」と、「違反が招いた結果が悪質・危険なもの」「違反の行われ方が悪質・危険なもの」があります。
「違反自体が悪質危険なもの」には、赤切符等の刑事手続となる飲酒運転や、ながらスマホ(交通の危険を生じさせたとき)、あおり運転などの重大な違反、また、青切符となるながらスマホ(通話・注視)、遮断踏切立入り、自転車制動装置不良(ブレーキなし)など重大な事故につながるおそれが高い違反が該当します。
「違反が招いた結果が悪質・危険なもの」には、交通事故を起こしたとき(赤切符)、違反を同時に2つ以上行い、事故の危険が高まっているとき(青切符)などが該当します。
「違反の行われ方が悪質・危険なもの」には、違反であることについて指導警告されているにもかかわらず、あえて違反を行ったとき(青切符)などが該当します。
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16歳未満の者による違反については、原則として「指導警告」が行われます。
ただし、違反により実際に事故を発生させた場合は赤切符による刑事手続です。14歳以上であれば刑事手続により処理される場合があります。
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単に歩道を通行しているといった違反については、これまでと同様に、通常「指導警告」が行われます。
ただし、例えば、スピードを出して歩道を通行して歩行者を驚かせ立ち止まらせた場合や、警察官の警告に従わずに歩道通行を継続した場合には、取締りを受ける場合があります。
自転車は、車道の左側通行が原則で、歩道は例外です。
歩道を通行できるのは、
・道路標識等で指定された場合
・運転者が13歳未満や70歳以上の高齢者や身体の不自由な人の場合
・車道又は交通の状況から見てやむをえない場合
等です。
「やむをえない場合」は、例として、道路工事や連続した駐車車両などのために車道の左側部分を通行するのが困難な場合や、著しく自動車の通行量が多く、かつ、車道の幅が狭いなどのために、追越しをしようとする自動車などとの接触事故の危険性がある場合など、普通自転車の通行の安全を確保するためにやむを得ないと認められるとき、などとされています。
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青切符となる場合があります。
安全な運転に必要な交通に関する音、または声が聞こえない場合は、青切符となります。片耳のみに装着、オープンイヤー型イヤホン、骨伝導型イヤホンなどでも同様です。イヤホン・ヘッドホンは外して運転するようにしましょう。
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状況によって異なり、一概にどの程度という定義はなされていませんが、ブレーキをかけるまでの反応時間が遅れれば、その分停止するための距離が長くなります。単純計算ですが、時速15kmで走行中に0.4秒間視線を外すと、約1.7m進むため、歩行者や障害物等への対応が困難になります。大変危険な行為であり、思わぬ事故につながります。自転車に取り付けてあっても携帯電話・スマートフォンを注視することは道路交通法により禁止されています。絶対にながらスマホはやめましょう。
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いいえ。青切符ではありません。
ヘルメットの着用は、道路交通法、都条例いずれにおいても“努力義務”となっています。
自転車死亡事故の6割以上が頭部に致命傷を受けています。また、着用の有無で致死率が2倍近くになることも確認されています。命を守るために“必ず"ヘルメットは着用しましょう。
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反則金の納付は任意であり、これを納付しない場合は、刑事手続に移行します。
なお、違反をしたと認めるときは、取締り(告知)を受けた翌日から原則7日以内に、銀行や郵便局の窓口に「納付書」を持参して反則金を仮納付します。反則金を仮納付すると、刑事手続に移行せず、起訴はされません。
仮納付をしなかった場合は、青切符に記載された指定の期日に交通反則通告センターに出頭し、反則金の通告書と納付書の交付を受けます。通告を受けた翌日から原則10日以内に、納付書に記載された金額を納付したときは、仮納付したときと同様に、刑事手続に移行せず、起訴はされません。
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免許停止になる場合があります。
運転免許を有している者が自転車で交通違反を犯した場合であっても、運転免許の行政点数が付されることはありません。
しかし、公安委員会が、自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあると認めるときは、運転免許保有者に対して、6月を超えない範囲内で期間を定めて運転免許の停止処分が行われることがあります。
具体的には、運転免許を有している者が、自転車でひき逃げ事件や死亡事故等 の重大な交通事故を起こした場合や、酒酔い運転・酒気帯び運転をはじめとする特に悪質・危険な違反を犯した場合に、運転免許の効力が停止されるときがあります。
実際の例として、複数の自治体で、自転車の酒気帯び運転で検挙された者に対し、自動車等を運転することが著しく道路における交通の危険を生じさせるおそれがあるものとして、6か月以内で運転免許を停止する処分が行われています。
青切符以外にも覚えておきたいこと(赤切符・自転車運転者講習制度)
赤切符について
赤切符は、正式には「道路交通法違反事件迅速処理のための共用書式」という名称で、悪質性・危険性の高い交通違反に対して交付される書面です。刑事手続となり、警察署等への出頭が必要です。
自転車運転については、現在も赤切符の対象となります。
また、自転車運転に青切符が導入された後も、酒気帯び運転など悪質性・危険性の高い交通違反は青切符の対象外となり、赤切符で処理されることになります。
自転車運転者講習制度について
青切符などの交通違反に対する処理手続とは別に、「自転車運転者講習制度」があります。
自転車を運転して信号無視などの危険行為(16類型)を行い、交通違反として取締りを受けた、または、交通事故を起こして送致された、このようなことを3年以内に、違反・事故を合わせて2回以上反復して行った場合、都道府県公安委員会より講習の受講が命じられます。
受講時間は3時間、受講料は6,150円です。万が一、受講命令に従わなかった場合は「5万円以下」の罰金が科せられます。
参考リンク