東京都立成瀬高等学校
生徒主体の啓発活動でヘルメットの着用を広げる
生活委員の生徒たちが、校門前でヘルメット着用の呼びかけを実施
町田市の『都立成瀬高等学校』では、全生徒のおよそ4分の3に当たる約600名が自転車で通学しています。令和5年度は、東京都教育委員会から自転車安全運転指導推進校の指定を受けて3年目。学校側の企画による安全講習のほか、生徒自身が主体的に取り組む交通安全の活動が精力的に行われているのが同校の特色です。
地元機関と連携し、校門前でヘルメット着用を呼びかけ
各学期に2日ずつの実施が定着してきたのが、登校時間帯の「交通安全推進キャンペーン」。生活委員の生徒たちが、町田警察署や町田市の職員と一緒に校門前に立ち、ヘルメット着用をはじめとする交通安全の呼びかけを行っています。最初は「ヘルメット着用」のプラカードを掲げることで精いっぱいだった生徒も、徐々に積極的な声かけができるようになってきました。クラスの同級生が大人と一緒になってヘルメット着用を訴えるとあって、毎回、生徒たちの注目度も高い活動となっています。
学年ごとの啓発活動は、企画から実施まで生徒の手で
さらに今年度は、学年ごとに異なるアプローチで交通安全に向けた活動を展開しました。ホームルーム委員の生徒が中心となり、委員会やクラスで話し合いを重ねて取組内容を検討。1年生は登校時のヘルメット着用状況をシールで視覚化する試み、2年生はヘルメット着用を促すポスター作成と声かけ、3年生は交通安全ポスターキャンペーンを実施しました。
生徒同士で啓発し合い、交通安全の意識向上へ
生活指導担当の教員は一貫して、生徒たちの主体的な活動を促し、尊重してきました。最近では生徒会によるヘルメット着用率調査が行われ、廊下には漫画イラスト部によるヘルメット着用促進ポスターも多数掲示されるなど、生徒同士の啓発で校内の安全意識がますます高まっています。
先般、東京都教育委員会の方針として、「令和6年度からは全ての都立学校において、自転車通学の際は必ずヘルメットの着用を求める」ことが示されました。先行して生徒主体の活動を積極的に行ってきた同校の取組は、都内の幅広い学校にとって参考になるはずです。
漫画イラスト部によるポスターはインパクトあるデザインで生徒たちに好評
取組の工夫
高校生のヘルメット着用には、保護者の協力が不可欠。日頃から、保護者に向けても積極的に呼びかけを行っています。今では、PTA活動等で来校する保護者の間でも、自転車ヘルメットの着用が習慣となっています。