東京都暴力団排除条例
東京都では、都民の安全で平穏な生活を確保し、事業活動の健全な発展に寄与するため、「東京都暴力団排除条例」が制定され、平成23年10月1日から施行されました。
警視庁ホームページ「暴力団排除特別強化地域」
この度、本条例が一部改正され、令和元年10月1日から施行されます。
条例改正について
改正趣旨
東京都では、東京都暴力団排除条例施行(平成23年)以降、官民一体となった暴力団排除活動を推進してきましたが、都内に多数存在する繁華街では、未だに暴力団員が飲食店や風俗店等から用心棒料やみかじめ料を徴収している実態がありました。 これらは、暴力団の莫大な資金源となっており、また、徴収をめぐる事件やトラブルも発生しています。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、暴力団の排除を一層徹底し、都民及び事業者の安全・安心かつ繁華街における良好な環境の醸成のため、東京都暴力団排除条例を一部改正し、繁華街における暴力団員に対する利益供与等の取り締まりを強化するための措置を追加することとしました。
改正内容
都内の主な繁華街を「暴力団排除特別強化地域」と指定し、同地域における「特定営業者」及び「客引き等を行う者」が暴力団員に対し用心棒料、みかじめ料の利益を供与する行為や、暴力団員がこれら利益の供与を受けること等を禁止するもの。
暴力団排除特別強化地域
風俗店、飲食店が集中し、暴力団が活発に活動していると認められる地域
警視庁ホームページ「暴力団排除特別強化地域」 PDF [3MB]
規制内容
1 特定営業者及び客引き等を行う者の禁止行為
(1)暴力団員又は暴力団員が指定した者から用心棒の役務の提供を受けること。
(2)暴力団員又は暴力団員が指定した者に用心棒の役務を受けることの対償として利益を供与すること(いわゆる「用心棒料」)
又は営業を営むことを容認する対償として利益を供与すること(いわゆる「みかじめ料」)
2 暴力団員の禁止行為
(1)特定営業者又は客引き等を行う者に用心棒の役務を提供すること。
(2)特定営業者又は客引き等から用心棒の役務の提供をすることの対償として利益の供与を受けること
又は営業を営むことを容認とする対償として利益の供与を受けること。
罰則
1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
※禁止行為に違反した特定営業者が自首した場合、刑の任意的減免が可能
用語の解説
特定営業者
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、「風適法」という。)等の法律で規定された下記の特定営業を営む者。
- 風俗営業(風適法第2条第1項)
キャバレー、麻雀店、パチンコ店、ゲームセンター等 - 性風俗関連特殊営業
ソープランド、ファッションヘルス、派遣型ファッションヘルス、ラブホテル等 - 特定遊興飲食店営業(風適法第2条第11項)
ナイトクラブ等 - 接客業務受託営業(風適法第2条第13項)
コンパニオン派遣業等 - 飲食店営業(食品衛生法第52条第1項)
一般飲食店、スナック、居酒屋等 - 風俗案内業(歓楽的雰囲気を過度に助長する風俗案内の防止に関する条例第2条)
風俗案内所 - 客引き等
道路等において、特定営業等に関し客引きやスカウトをする行為。
用心棒の役務
営業を営む者の営業に係る業務を円滑に行うことができるようにするための顧客、従業者その他の関係者との紛争の解決又は鎮圧を行う役務。
条例の主な内容(抜粋)
1 基本理念【第3条】
- 暴力団と交際しない
- 暴力団を恐れない
- 暴力団に資金を提供しない
- 暴力団を利用しない
2 都の責務【第5条】
都は、都民等の協力を得るとともに、(公財)暴力団追放運動推進都民センター(以下「暴追都民センター」という。)等と連携を図りながら、暴力団排除活動に関する施策を総合的に推進していくこと。
3 都の主な役割
都の行政対象暴力に対する対応方針の策定等 【第6条】
都は、行政対象暴力を防止し、都の職員の安全と適正な公務執行を確保するため、具体的な対応方針を定めることその他の必要な措置を講ずること。
都の事務事業に係る暴力団排除措置【第7条】
- 都は、公共工事その他の都の事務又は事業により、暴力団の活動を助長し、又は暴力団の運営に資することとならないよう、都の契約の相手方が暴力団関係者でないことを確認するなど、暴力団関係者の関与を防止するために必要な措置を講ずること。
- 都の契約を書面により締結する場合は、都の契約の相手方が暴力団関係者であると判明した場合には当該契約を解除することができるとする特約を契約書等の書面に定めること。
- 都の契約の相手方が暴力団関係者と判明した場合は、当該契約を解除するよう努めるとともに、当該相手方を都の契約に関与させないよう努めること。
- 都の契約に係る関連契約の当事者が暴力団関係者と判明した場合は、当該都の契約の相手方に対し、当該関連契約の解除その他必要な措置を講ずるよう求めるとともに、当該相手方が正当な理由なくこれを拒否したときは、当該相手方を都の契約に関与させないよう努めること。
- 暴力団関係企業に対し排除措置を講じた場合、当該措置の理由、期間等を公表するとともに、国及び区市町村に対して通知すること。
都民等に対する支援【第9条】
- 都は、都民等が暴力団排除活動に取り組むことができるよう、暴追都民センター等と連携し、都民等に対し、情報の提供、助言、その他の必要な支援を行うこと。
区市町村との協力【第11条】
- 都は、区市町村が、暴力団排除活動のための活動を円滑に遂行できるよう、情報の提供、助言、その他の必要な協力を行うこと。
4 都民等の役割(努力義務)
東京都暴力団排除条例には、都民等の役割として、下記の事項が努力義務として規定されています。
都民等の責務【第15条】
- 暴力団排除活動に資する情報を知った場合、都又は暴追都民センター等に情報提供すること。
- 都が実施する暴力団排除活動に関する施策に参画又は協力するとともに、暴力団排除活動に自主的かつ相互に連携して取り組むこと。
青少年に対する措置【第16条】
- 青少年の教育又は育成に携わる者は、青少年が、暴力団は都民の生活等に不当な影響を与える存在であることを認識し暴力団に加入せず、暴力団員による犯罪の被害を受けないよう、指導、助言、その他必要な措置を講ずること。
祭礼等における措置【第17条】
- 祭礼、花火大会、興行等の主催者等は、当該行事の運営に暴力団等を関与させないための措置を講ずること。
事業者の契約時における措置【第18条】
- 事業者は、契約の相手方が暴力団関係者でないか確認し、契約を書面により締結する場合は、当該契約の相手方が暴力団関係者であると判明した場合には当該契約を解除することができるとする特約を契約書等の書面に定めること。
不動産の譲渡等における措置【第19条】
- 不動産の譲渡等をする者は、当該不動産が暴力団事務所に使用されることがないか確認し、契約を書面により締結する場合は、当該不動産を暴力団事務所に使用されていることが判明した場合には当該契約を解除し、又は当該不動産の買戻しすることができる特約を契約書等の書面に定めること。
5 禁止事項(行政措置及び罰則)
東京都暴力団排除条例では、下記の事項が禁止事項とされ、違反した場合は、行政措置や罰則が与えられます。
妨害行為の禁止【第21条】
- 何人も、暴力団排除活動を行う者等に対して、威迫、つきまとい、その他不安を覚えさせるような妨害行為をしてはならない。
【行政措置】
命令
【罰則】
1年以下の懲役・50万円以下の罰金
暴力団事務所の開設及び運営の禁止【第22条】
- 学校、図書館、児童福祉施設等から200m以内に暴力団事務所を開設及び運営してはならない。
【罰則】
1年以下の懲役・50万円以下の罰金
青少年を暴力団事務所へ立ち入らせることの禁止【第23条】
- 18歳未満の者を、暴力団事務所へ立ち入らせてはならない。
【行政措置】
命令
【罰則】
6月以下の懲役・50万円以下の罰金
事業者の規制対象者等に対する利益供与の禁止等【第24条】
- 事業者は、暴力団の威力を利用する目的で利益を提供してはならない。〔第1項〕
(暴力団関係者が利益を受領することも禁止〔第2項〕)
【行政措置】
勧告・公表・命令
【罰則】
1年以下の懲役・50万円以下の罰金 - 事業者は、暴力団の活動を助長する目的で利益を提供してはならない。〔第3項〕
(暴力団関係者が利益を受領することも禁止〔第4項〕)
【行政措置】
勧告・公表(第3項については、事業者が自主申告した場合は勧告等の適用除外)
他人の名義利用の禁止等【第25条】
- 暴力団員は、自己が暴力団員であることを隠す目的で他人の名義を利用してはならない。〔第1項〕
また、何人も暴力団員が暴力団員であることを隠す目的であることを知りながら、名義を利用させてはならない。〔第2項〕
【行政措置】
勧告・公表(第2項については、事業者が自主申告した場合は勧告等の適用除外)
- ※詳しくは、警視庁のホームページをご覧ください。
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生活文化スポーツ局都民安全推進部治安対策課
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