青少年たちへ 〜もしも暴力団が近づいてきたら〜
問題1
暴力団って本当に悪いの?
答え:〇
問題:暴力団って本当に悪いの?
暴力団は、組織の怖さ(威力)を利用し、自分たちが儲けるためには法律を犯すことも構わないと考えている団体で、何度も犯罪を行っている点からすると、まさに法を無視し秩序を守らずに悪事を働く団体です。
具体的には、覚せい剤、暴力、盗み、人を脅したりだましてお金や物を取り上げたりして逮捕されている、本当に悪い存在なのです。
問題2
暴力団は格好いいし、お金持ちにもなれる!
答え×
問題:暴力団は格好いいし、お金持ちにもなれる!
暴力団に任侠道(弱い者を助ける精神)はありません。
実際にはお金を得るために犯罪行為で立場の弱い一般人を苦しめている団体です。
収入のほとんどが、暴力団の威力を使って得たお金ですから、当然、所属する組織に納めなくてはなりませんので、手元に残るお金はわずかなものです。
「暴力団員って、お金があって、高級車に乗り、いい服を着ているから憧れる」と美化された姿に騙されないでください。
問題3
暴力団は辞められないって本当?
答え〇
問題:暴力団は辞められないって本当?
「○」というよりも離脱する(辞める)ために大変な苦労をしなければなりません。
過去には、組員になった少年に対し、組を抜けることを防ぐため、「入れ墨をして一人前のヤクザになれ。」と入れ墨を強要した事件もありました。
また、安易に暴力団に加入したが嫌になったから「組を抜けたい」と言っても、「逃げられるものなら逃げてみろ。お前の実家もわかっている。」と脅されたり、脱退費用として法外な金銭を要求されたりして離脱を断念する暴力団員もいます。
問題4
知人に頼まれて、携帯電話を契約して渡した場合は犯罪になる?
答え〇
問題:知人に頼まれて、携帯電話を契約して渡した場合は犯罪になる?
自分の携帯電話を電話会社に無断で他人に渡すことは違法となります。
その携帯電話が、詐欺などの犯罪に使われたり、暴力団に渡ったりする恐れがあります。
知人から「使用料金はちゃんと払うから」と言われても、実際には支払われず、高額な利用料金の支払を求められるなどのトラブルも発生しています。
問題5
スマホの掲示版で「使っていないキャッシュカードを○万円で買うよ。」と書き込みがあったけど、お金が無いから売る?
答え×
問題:スマホの掲示版で
「使っていないキャッシュカードを○万円で買うよ。」と書き込みがあったけど、お金が無いから売る?
絶対にキャッシュカード(銀行口座)などを売り渡してはいけません。
そもそも、キャッシュカードや通帳などを他人に売ることは違法です。
売られた口座は振り込め詐欺などの犯罪に悪用され、暴力団などの資金源になっています。
犯罪に使われた口座の名義人は警察に呼ばれて取り調べを受けたり、被疑者となってしまう場合もあります。
また、自分で使わずに他人に売り渡す目的を隠して、銀行口座を作り、通帳とキャッシュカードを受け取ることも犯罪ですので、絶対にやらないでください。
問題6
インターネットに「短時間・高収入・アルバイト」っていう書き込みがあったので、ラクに稼げそうだからやってみる?
答え×
問題:インターネットに
「短時間・高収入・アルバイト」っていう書き込みがあったので、ラクに稼げそうだからやってみる?
この書き込みは誘惑・虚言の可能性があり、ほとんどが暴力団が絡む犯罪に加担する結果となっています。
迷った時は家族や先生に相談しましょう。
過去には、迷った末に「1回だけならいいか。金も欲しいし。」と軽い気持ちでアルバイトに応募したところ、お年寄りから封筒を受け取る仕事を任され、「これって絶対詐欺だよな」と思いながらも仕事をしたところ、逮捕されてしまいました。
後になって、この詐欺グループは暴力団が動かしている犯罪集団とわかりましたが、逮捕されたあとは音信不通で一切面倒も見てくれませんでした。
問題7
暴力団員の仕事って簡単だ?
答え×
問題:暴力団員の仕事って簡単だ?
簡単に見えても良いことは一つもありません。
実際に簡単なアルバイトと思って申し込んだ若者は、任された仕事が振り込め詐欺の受け子だったけど、給与も高いので続けていたら、暴力団事務所に出入りするようになりました。
そのうち事務所当番といって掃除や電話番を任され、ずるずると組員に登録させられました。
問題8
暴力団って少年には優しいし、悪い人達ではない!
答え×
問題:暴力団って少年には優しいし、悪い人達ではない!
暴力団は甘い言葉で加入を勧誘します。
例えば、暴力団に憧れている少年に「事務所でしばらく頑張れば立派な幹部になる。」と言って組事務所に連れ込んだり、お金を欲しがっている少年には「2~3日仕事を手伝えば大金が手に入る。」と言って、暴力団が経営する風俗店で働かせ、暴力団へ加入させたこともあります。
その他、「高級車に乗れる」、「女性にもてる」、ブランド品を買い与えて信用させ「金回りがよくなる」など、巧みに甘い言葉を使い分けて勧誘します。
問題9
暴力団は男の世界?
女子には関係ない!
答え×
問題:暴力団は男の世界?
女子には関係ない!
暴力団員は、少女にも甘い言葉で近づき、お金のために少女にひどいことをさせ、警察に逮捕されています。
しかし、ある少女にとって、暴力団は「優しい人」、「自分のことを分かってくれる人」、「お金をくれる人」であり、「いい人なのに社会に認められず可哀そう」とまで同情していました。
その少女はひどいことをさせられる前に助けられたからです。
女子は、男子と違い、次から次に「甘い言葉」で勧誘してきます。一度関わってしまうと拒絶することは難しいので、親や先生に相談してください。
問題10
暴力団員と知人として付き合うくらいなら大丈夫!
答え×
問題:暴力団員と知人として付き合うくらいなら大丈夫!
そんなことはありません。
例えばトラブルがあった時に、知り合いの暴力団員に解決してもらったりすれば、さらに関係が深まり、しまいには「組員にならないか」と迫られたり、「金を貸してくれ」と要求され、断ることができない関係になってしまいます。
軽い気持ちで付き合っていると、いつの間にか犯罪などに利用されてしまいます。知り合いといえども暴力団には近づかないことが一番です。
暴力団になると・・・
毎日の生活
事務所当番になると、組事務所で寝泊まりをして電話番や掃除などをやらなければなりません。
そして電話番をしていない時間は昼夜にかかわらず、親分や兄貴分の呼び出しがあるので、プライベートな時間はごく 僅か しかありません。
また暴力団の世界は完全な縦社会の為、理不尽で無理難題な命令に従わないといけません。
暴力団の世界には独特の「 掟 」があり、それに従わない者には様々な「制裁」が待っています。
その中でも、肉体的制裁にあたる暴力は手加減ありません。
ましてや生命を脅かす事も 厭 わないのです。
組員は人の命よりも組の「掟」の方が絶対だからです。
または、自身が暴力を加える加害者側に立つ時もあります。
そんな場面で、もし自身が手加減してしまえば、すぐに標的が自身に向いてしまいます。
さらに、暴力団同士の対立抗争が起きた場合、自身が対立組織から狙われ命を落とすことになったり、逆に相手に危害を加えて長期間服役することになったときに、本当に悲しむのは、あなたの親や妻子です。
暴力団に入ると暴力で支配された殺伐とした世界に身を置くことになります。
毎月々、組へ上納金(会費)を支払います
組員になると、その組の看板を掲げる為の上納金を支払わなくてはいけません。
支払いの金額は組や立場によって異なりますが、最低でも数万円以上は支払わなくてはいけません。
しかし、一般企業は暴力団員を雇ってはいけないと、暴力団排除条例で定められています。
もちろんアルバイトでも雇ってもらえません。
むしろ、親分や兄貴分に呼び出された時に、すぐ動けるようにしなくてはいけないので、時間が決められている職に就くことは大変難しいです。
そのため、暴力団員は
- みかじめ料
- 用心棒代
- リース料
など、飲食店等にその場所で店を開く為の代金と偽り請求したり、おしぼりや観葉植物のリース料として法外な値段を請求します。
また、
- 民事介入暴力
- 企業対象暴力
など、民事紛争や企業活動に介入し、威力を用いて金品を要求します。
さらには、
- 振り込め詐欺
- 恐喝
- 違法薬物の販売
- 闇カジノ
- 裏スロット屋や違法風俗店を経営
など、犯罪でしかお金を手にする事ができなくなります。
組員は減少傾向にある
年々、暴力団組員の数は減少しています。
その背景には、官民一体となった社会からの暴力団排除活動や、暴力団の存在を許さないという、気運の高まりにより、暴力団の活動を制限し、資金を困窮させ封じ込めたからです。
また、暴力団排除条例等、法律に基づく警察の取り締まりを受けて暴力団員には様々な制約が試されています。
離脱しようとしても
実際に暴力団から離脱を考えている人も多くいますが、「辞めます」「わかりました」と簡単に暴力団を辞める事はできません。
親分と杯を交わし暴力団員になると、辞めようと思ってもなかなか辞めさせてもらえません。逃げ出しても、執拗に追跡され、集団的なリンチや指詰めの制裁を受けます。家族や親兄弟にも昼夜を問わず電話で、あるいは自宅に押しかけて所在を聞くなどして攻め立てます。また、脱退したいと申し出ても、脱退費用として常識では支払いきれないほどの多額の金銭を要求されるのです。
また、「入れ墨を入れると迫が付く。」と言われて入れ墨を彫らせることも、暴力団からの脱退を困難にさせる一つの手段であると言われています。
このように、自分の意志では暴力団をなかなか辞められないのが実情です。ですから、暴力団には絶対に加入してはならないのです。
自分自身を強く持ちましょう
家庭環境が複雑であったり、周囲との人間関係がうまくいかなったりと、全てに憤りを感じる事もあります。
本来、家族や友人と築いていく「絆」で結ばれている人がいる一方、そうではない環境で過ごしている人もいます。
そのような時に、同じ境遇の人と一緒にいる事は、大変居心地もよく、「自分を理解してくれるのはこの人達だけかもしれない。」と思ってしまう事もあります。
もしその人達が犯罪だと分かりながら悪い事を誘ってきた時に、あなたは断れますか?
ここにしか居場所がないと思い込み、嫌われるのが怖くて犯罪とわかっていても手を染めてしまいますか?
犯罪に「ここまでなら大丈夫」という事はありません。
場合によってはその一歩が、「暴力団への一歩」でもあるのです。
仮に犯罪に誘われても、きちんと「NO」と断るように、そして本当の友達なら犯罪には関わらないように説得するぐらいの強い気持ちを持ちましょう。
そして暴力団員が狙っているのは、 騙 しやすく社会経験の少ない青少年で、心の弱さを見抜いて近づいてきます。
暴力団員は、最初から暴力団員になりたくて暴力団にはいった人はいません。
「自分は暴力団になるつもりはない」と思っていても、気が付けばその道しか残されていない状態に陥らせてしまうのです。
失敗事例紹介
失敗事例1(受け子)
失敗事例2(飲食店からの用心棒代金集金)
時間が経つほど、事態は日増しに悪化してしまいます。
少しでも不安を感じたり、おかしいと思ったら、一人で悩まずに学校や警察や身近な大人たちに相談しましょう。
警視庁暴力ホットライン(警視庁組織犯罪対策部暴力団対策課)
03-3580-2222
24時間対応
暴力団から脅されている、暴力団をやめたい、暴力団に入るように勧められているなどの暴力団に関する事で困っている方のための相談窓口です。
(公財)暴力団追放運動推進都民センター
0120-893-240
東京都外からはかけられません
暴力団、えせ右翼、えせ同和行為などに絡む困りごとの相談を受け付けています。
また、警視庁や東京三弁護士会の民事介入暴力専門の弁護士と連携し、相談者に対して適切な指導を行っています。
ヤング・テレホン・コーナー
(警視庁少年相談室)
03-3580-4970
24時間、対応します。
青少年たちへ
未来が無限に広がる青少年達
暴力団とはゲームや映画で繰り広げられている世界と全く違うんだ
暴力団と関わって未来の可能性を潰す前に、このページを読んで欲しい
暴力団組織について 青少年が狙われやすい理由
そういった基本のところから説明するよ
【彼を知り己を知れば百戦殆うからず】だよ
暴力団を辞めたい。
暴力団を辞めて欲しい。
そんな悩みを解決する方法を紹介します
脱!暴力団